特集

障害者総合支援法の改正について
平成24年6月に障害者総合支援法が成立し、各種改正内容について、平成25年4月及び平成26年4月に施行されます。 wel.ne.jpでは法改正の内容や今後の法改正の動向などの特集記事を随時、掲載していきます。

第6回 ケアホームとグループホームの一元化について

2014年2月27日
「障害者総合支援法」における平成26年4月施行分の主な改正内容は
以下の通りです。

<平成26年4月施行分の主な改正内容>
 『(1)障害支援区分の創設』
 『(2)重度訪問介護サービスの対象者拡大』
 『(3)ケアホームとグループホームの一元化等』

今回の記事では『(3)ケアホームとグループホームの一元化等』に関する
「改正内容・目的」や一元化に伴う「サービスの提供形態」「事業所の設置基準」
「報酬体系」等について、紹介します。

改正内容・目的

障がい福祉サービスには共同生活を営むことを提供するサービスとして、
「ケアホーム(共同生活介護)」と「グループホーム(共同生活援助)」が
用意されていますが、(以下、「ケアホーム」「グループホーム」表記とします。)
平成26年4月の障害者総合支援法の施行後から、
「ケアホーム」は「グループホーム」に一元化されることになります。

「ケアホーム」が「グループホーム」に一元化される目的や背景として、
以下の内容が提示されています。

<目的>
○障がい者の地域移行を促進するために、地域生活の基盤となる住まいの場の
 確保を促進
○地域における住まいの選択肢のさらなる拡大
○事業所の事務手続きの簡素化

<背景>
○障がい者の高齢化や重度化が進むことを踏まえて、「ケアホーム」だけではなく、
 「グループホーム」においても、「介護サービス(※)」を提供する
 ニーズが高まっている。
※「入浴、排せつ又は食事の介護その他の日常生活上の援助」
 (「グループホーム」への「介護サービスが必要な人」の新規入居者の増加や
  「グループホーム」入居後に「介護サービスが必要な人」の増加が見込まれるため)
○「介護サービスが必要な人」と「介護サービスが必要ない人」を一緒に受け入れる
  場合、「グループホーム」「ケアホーム」の2つの類型の事業所指定が必要となる。
○「グループホーム」、または「ケアホーム」の指定を受けている
 事業所は半数以上が両方の指定を受けている。

これらの目的・背景を踏まえて、これまで「ケアホーム」のみで
提供されていた「介護サービス」が「グループホーム」でも
新たに提供されることになります。

サービスの提供形態

一元化後の「グループホーム」は、「介護サービスが必要な人」と
「介護サービスが必要ない人」が混在して利用することになります。
また、「介護サービスが必要な人」の数も一定ではありません。
そのため、「介護サービス」を利用者個々のニーズに応じて提供する形態になります。

<「介護サービス」の提供>
○介護サービスの提供形態について、以下の形態を
 事業所が選択できる仕組みとする。
 
  「(1)介護サービス包括型」
  (「グループホーム事業所」自らが「介護サービス」を行う)

資料:厚生労働省HP 障害者の地域生活の推進に関する検討会(第7回)障害者の地域生活の推進に関する議論の整理(案)参考資料 から一部転載

「(2)外部サービス利用型」
  (「グループホーム事業所」はアレンジメント(手配)のみ行う。
   委託された外部の「居宅介護事業所」が「介護サービス」を行う。)

資料:厚生労働省HP 障害者の地域生活の推進に関する検討会(第7回)障害者の地域生活の推進に関する議論の整理(案)参考資料 から一部転載

なお、「(2)外部サービス利用型」を選択する場合、以下の懸念事項が提示されています。

<懸念事項>
○入居者個人が契約をして「介護サービス」を受ける場合、
 「グループホーム事業所」と「居宅介護事業所」の責任の
 所在が曖昧になる可能性がある。
○責任の所在が曖昧なため、事故発生時に十分な対応がなされない
 可能性がある。

そのため、「(2)外部サービス利用型」を選択する際は、「グループホーム事業所」が、
「居宅介護事業所」(以下「受託居宅介護サービス事業所」表記とします。)
との間で文書により委託契約を締結した上で、「介護サービス」を手配することにより、
「介護サービス」の提供に係る責任の所在を明確にすることが示されています。
また、「(2)外部サービス利用型」を選択した「グループホーム事業所」は、
「受託居宅介護サービス事業所」に対して、業務に関する必要な管理及び指揮命令を
行うものとされています。


資料:厚生労働省HP 障害者の地域生活の推進に関する検討会(第7回)障害者の地域生活の推進に関する議論の整理(案) から一部転載

人員配置基準

サービス提供時間帯の人員配置基準について、「介護サービス包括型」と
「外部サービス利用型」で以下の通り定められる予定です。

サービス利用体系人員配置基準
介護サービス包括型現行のケアホームと同様の基準
外部サービス利用型現行グループホームの基準と同様とした上で、現行の世話人の配置基準を引き上げる(10 対 1 以上→6対1以上) 。但し、現在10 対1で配置しているグループホームは、当分の間の経過措置を設ける。

なお、「日中の支援体制」「夜間の支援体制」「医療が必要な人等への対応」は、
支援の必要が無い人も多くいることを踏まえて、職員配置の義務化は行わずに、
現行加算の拡充・見直し等を行う方向で検討されています。

設備基準

一元化後の「グループホーム」における設備基準の「基本的な考え方」や
「入居定員」について、以下の通り示されています。

<基本的な考え方>
○現行の「グループホーム」と「ケアホーム」との基準に差異が無いことを
 踏まえて、設備基準は現行基準と同等にする。
○「介護サービス包括型」と「外部サービス利用型」は共通の設備基準とする。

<入居定員>
○新築の場合の入居定員は現行どおり10人以下とする。
○ただし、既存の 10 人以上が入居する共同生活住居を建て替える場合であって、
 建て替え後に共同生活住居を複数に分けて設置することが極めて困難な場合は、
 現に入居している者の保護の観点等から、その時点の入居定員数を上限とする
 共同生活住居の設置を可能とする。

報酬体系

「介護サービス包括型」と「外部サービス利用型」では、
以下の報酬体系とする方針が提示されています。

サービス体系報酬体系の方針
介護サービス包括型「グループホーム」の職員が「介護サービス」も含めた包括的なサービス提供を行うことから、「現行ケアホーム」と同様に、障害程度区分、人員配置に応じた包括的な報酬(基本サービス+介護サービス)として算定する。
外部サービス利用型 利用者全員に必要な「基本サービス」(日常生活上の援助や個別支援計画の作成等)は、包括的に評価し、「介護サービス」は、個々の利用者ごとにその利用量に応じて算定する。

資料:厚生労働省HP 障害者の地域生活の推進に関する検討会(第7回)障害者の地域生活の推進に関する議論の整理(案)参考資料 から一部転載

まとめ

『共同生活を営む住居』に入居している人の「介護サービス」の増加を見据えて、
平成26年4月の障害者総合支援法の施行後から、「ケアホーム」が「グループホーム」に
一元化されることになります。

「ケアホーム」が「グループホーム」に一元化されることに伴い、
現行のグループホーム入所者も、必要に応じて「介護サービス」を
利用することが可能になります。ただし、「介護サービス」の提供形態が、
「介護サービス包括型」 又は「外部サービス利用型」となるため、
入居されている「グループホーム事業所」で、どちらの
「介護サービス」が提供されるのかを確認する必要があります。

また、「グループホーム」のみを運営している事業所は、「介護サービス」の
提供が可能となるため、サービスの提供形態等を検討する必要があります。

※当記事は平成25年10月4日に開催された
 障害者の地域生活の推進に関する検討会(第7回)に
 提示された情報を基に作成をしています。
 今後、障害者総合支援法の本施行までに、記載内容が変更となる可能性があります。

添付

/障害者の地域生活の推進に関する議論の整理(案) - PDFファイル
/障害者の地域生活の推進に関する議論の整理(案)参考資料 - PDFファイル

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