特集

障害者総合支援法の改正について
平成24年6月に障害者総合支援法が成立し、各種改正内容について、平成25年4月及び平成26年4月に施行されます。 wel.ne.jpでは法改正の内容や今後の法改正の動向などの特集記事を随時、掲載していきます。

第3回 障害支援区分の創設について~その2~

2013年12月6日
「障害者総合支援法」における平成26年4月施行分の主な改正内容は
以下の通りです。

<平成26年4月施行分の主な改正内容>
 『(1)障害支援区分の創設』
 『(2)重度訪問介護の対象拡大』
 『(3)ケアホームとグループホームの一元化等』

『(1)障害支援区分の創設』について、
前回の記事では「障害支援区分の概要内容やスケジュール」を
紹介しました。
今回の記事では「障害支援区分の詳細内容」について紹介します。

1.判定方式(コンピュータ判定式)の見直し


平成21~23年度の認定データ(約14,000件)の情報を調査した結果、
行動障害や精神面の調査項目などが適切に評価されていない課題があり(※1)、
現行の二次判定により近い一次判定が全国一律で可能となるように、
コンピュータ判定式が見直されます。
※1 現在のコンピュータ判定式における課題
1)現行のコンピュータ判定では、開発された当時の要介護認定の
判定式(樹形図)をそのまま活用したため、肢体不自由者以外の
特性を十分に反映できていない。
2)106項目の調査項目のうち、「行動障害や精神面等の調査項目(20項目)」の結果が、
コンピュータ判定では評価されていない。

また、新判定方式(コンピュータ判定式)の見直しに合わせて、
「障害程度区分」の判定を実施する市町村審査会の資料に
提示されていた警告コードは廃止となる予定です。
(補足)
警告コードとは、認定調査項目について異なる2つの認定調査項目において、
同時に出現することが稀な組み合わせがあった場合、
入力上のミスの有無を確認するために
市町村審査会資料に表示される項目です。
 例)認定調査で「寝返り」が「3.できない」にもかかわらず、「洗身」が「1.自立」の場合、警告コードが表示
しかし、障がいの特性は多種多様であり、一部の組み合わせだけで
障がいの特性か入力ミスかを判断することは困難であることから、
警告コードは廃止されることになります。

新判定方式(コンピュータ判定式)について、以下のスケジュール案が提示されています。

スケジュール主な内容
平成25年11月下旬~12月上旬新判定ソフト(テスト版)の配付
平成26年1月中旬判定ソフト(正式版)の配付

2.認定調査項目の見直し

認定調査項目の具体的な変更内容は以下の通りです。
変更内容変更内容詳細
認定調査項目の変更(106項目→80項目) 現行の調査項目では評価が難しい知的障がい者・精神障がい者の特性をより反映するため、調査項目が追加となります。また、認定調査時における障がい者の負担を軽減するため、不要な調査項目について統合や削除が行われています。

<調査項目見直し内容詳細>
 認定調査項目の追加[6項目]
 認定調査項目の統合[14項目→7項目]
 認定調査項目の削除[25項目]
選択肢の統一 「身体介助関係」、「日常生活関係」、「行動障害関係」の認定調査項目について、「声掛け」や「見守り」等の支援が適切に評価されるように、認定調査項目選択肢の統一が行われます。
変更前)
 「歩行」
 1.つかまらないでできる 2.何かにつかまればできる 3.できない
変更後)
 「歩行」
 1.できる 2.見守り等の支援が必要 3.部分的な支援や介助が必要
 4.全面的な支援や介助が必要
評価方法の見直し 認定調査の評価について、これまでは、「より頻回な状況」に基づいて判断するため、「できない場合」が評価されない等の課題がありました。
そのため、認定調査の内容において、できたりできなかったりする場合は、 「より頻回な状況」から「できない状況」を評価するよう方法が見直されます。
医師意見書の活用 「障害程度区分」の判定では、専門の調査員が調査した認定調査項目の結果を基に、コンピュータによる判定が実施されていました。
「障害支援区分」の判定では、従来の認定調査項目から更に医師意見書の一部項目を活用し、評価を行うように見直されます。
(参考)医師意見書の活用項目
「てんかん」、「精神障害の機能評価」、「麻痺」、「関節の拘縮」

認定調査項目の見直しについて、以下のスケジュールが
提示されています。

スケジュール主な内容
平成25年6月~7月障害支援区分開発に係るモデル事業の実施
平成25年7月厚生労働省HPに新判定方式の意見を募集
平成25年10月上旬新判定方式の確定
平成25年12月中旬各種マニュアル、調査票様式の確定


『障害支援区分の創設』についてのまとめ

前回の記事と今回の記事で、『障害支援区分の創設』に関する内容を
紹介しました。
『障害支援区分の創設』について、
知的障がい者・精神障がい者の方に対して、一次判定が適切に
行われるようにすることが最大の目的となっています。
そのための手段として、
「1.新判定方式(コンピュータ判定式)」と「2.認定調査項目」の見直しが予定されています。

「1.新判定方式(コンピュータ判定式)」の見直しについて、
行動障害や精神面等の調査項目がコンピュータ判定で
評価されるように見直しが行われます。

「2.認定調査項目」の見直しについて、知的障がい者・精神障がい者の
特性をより反映できること等を目的として、調査項目の見直しが行われます。

「1.コンピューター判定」と「2.認定調査項目」の見直しを行うことで、
知的障がい者及び精神障がい者の特性に応じた一次判定が
適切に行われる予定です。

「1.新判定方式(コンピュータ判定式)」と「2.認定調査項目」について、
どちらも、事務処理システムに大きな影響を与える内容となります。
そのため、市町村は、事務処理システム開発業者と
綿密な準備作業等を行う必要があります。

今後も、『障害支援区分の創設』に伴う最新情報について、
紹介していきます。

※当記事は平成25年7月1日に厚生労働省のHPで
 「障害支援区分への見直し(案)について〈ご意見募集〉」として
 提示された情報を基に作成をしています。
 今後、障害者総合支援法の本施行までに、記載内容が変更となる可能性があります。

添付

「障害支援区分への見直し(案)【概要】」 - PDFファイル
「新判定式(案)【配点表・判定ロジック】」 - PDFファイル
「新認定調査項目(案)【判断基準】 」 - PDFファイル

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