特集

特別企画 「震災と社会福祉士」
東日本大震災において、社会福祉士が手がけたことなどについて随時リポートしていきます。

第10回 被災地を訪問して(中編)

2011年11月1日
被災地を訪問して
9月18日(日)~19日(月)で訪問させていただいた被災地は、以下のとおりである。
(私の各ブログ記事へのリンクがあるので、興味がある方はご覧いただきたい)

(前編はこちらよりご覧ください)

(1) 石巻市立大川小学校
 多数のこどもが犠牲になり、地域全体でも多くの方が亡くなった地区。
(2) 石巻市雄勝地区
 仲間が応援に入っている地区。
(3) 東松島市野蒜地区
 あまり報道されていない地区。しかし被害は相当大きかったはずであり、「報道格差」による復旧・復興格差はないのか、が気になった地区。
(4) 仙台市若林区~名取市閖上地区
 震災当日、津波が報道機関によって空撮された地区。
(5) 山元町~福島県新地町
 震災から数日間全く情報がなかった地区(山元町)、また常磐線の列車が無惨な流され方をした地区(新地町)で、やはり報道が少ない地区。

石巻市雄勝地区。地区の公民館屋上には、今も観光バスがのったままとなっている。
(撮影:2011年9月18日)
 駆け足であったが、「自分の目」で見たことで、震災のすさまじさを改めて体感した。

 そして被災地をまわったことや、また大学院時代の仲間や宮城県社会福祉士会「ぱあとなあ宮城」の事務局長(石巻市在住 彼は津波で九死に一生を得る体験をしている)と話す中で、社会福祉士が中心となり、「後見制度」の利用促進にあたらなければいけないと感じた。(震災直後から頭にはあったが、現地を見て改めて感じた)

 今回の震災・津波被害で、これから「義援金の配分」「災害弔慰金」「生命保険金」「移転に伴う土地の売却金」等様々なお金が被災された方に入ることが予想される。そして、それらは決して小さい額ではないことも予想される。
 また亡くなった方も多数いるため、相続も多数行われる。国や自治体の復興計画如何では、市街地の高台移転等も考えられ、不動産の売買(行政による買い上げも含め)が多数行なわれることが予想される。

 こうした財産の管理(請求手続や契約行為、使途等)は、健康体の人でも難しいことが多い。成年後見制度の利用が必要な高齢者(認知症高齢者)や障がい者(知的・精神障がい)にはさらに難しい。そして何より困るのは、「難しい」ことにつけ込んで、こうした方々を不利な立場に追い込む人が少なからずいることである。また、そうしたお金を狙う人もおり、仮設住宅には、「そうした」人の出入りもすでにある様子である。

雄勝中学校前は瓦礫置き場となっていて、その高さは数メートルにも及んでいる。なお雄勝中学校は、3階まで津波が到達したようで、3階の窓ガラスも破れていた。
(撮影:2011年9月18日)
 また今回の震災では、多くの震災孤児が生み出された。
 養育の場は、児童養護施設等や親族里親によって、相当が確保されていると考えられる。しかし、上述のような「後見ニーズ」は想定されていない。特に親族里親が養育者である場合、里親と孤児との間に相続等で「利益相反関係」が生じることも予想される。

 これらを考えた時に、「成年後見制度」「未成年後見制度」が被災された方々
に正しく理解され、積極的に利用されていくことは非常に重要である。というより、被災された災害弱者の方々の「財産管理」や「身上監護」においては、必須であると言っても過言ではない。


独立型社会福祉士(スクールソーシャルワーカー 他)
社会福祉士  芦田 正博

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