特集

特別企画 「震災と社会福祉士」
東日本大震災において、社会福祉士が手がけたことなどについて随時リポートしていきます。

第1回 首都圏避難所における被災者支援

2011年4月28日
 東日本大震災によってさいたまスーパーアリーナへ避難してきた方々を支援するため、埼玉県社会福祉士会の呼びかけで被災者支援チームが震災1週間後の18日に発足し、翌19日から31日まで活動が行われました。

 1日目は三連休初日だったこともあり、大勢の一般ボランティアが集まり、避難してきたバス二十数台から荷物を運び、避難してこられた方々を避難所内へと誘導していました。そして、社会福祉士は、到着したバスに乗り込んで介護の必要がある方の把握と車いすの手配をする班と、他の専門職団体と共同して生活ニーズの聞き取り調査を行う班とに分かれて活動しました。避難者もボランティアもたくさん集まり避難所内は混乱状態で、ボランティアコーディネートが困難ななか、誰もが自分のできることや必要なことを探しながら支援にあたりました。

 2日目以降は、生活ニーズを調査するボランティア団体に協力して、福祉ニーズの把握と、相談ブースでの福祉相談も行うことになりました。避難所では、必要な介護が適切に受けられない状態であり、プライバシーのない大勢での生活によって認知症の方や障害のある方が不穏になるといった事態が起きました。すぐにでも施設利用や入院が必要な方たちがいらしたため、その手配をまず行う必要がありました。

 また、避難所生活が長くなるにつれ、今後についての不安も強くなり、避難者全体にストレスが高まって、人間関係のトラブルも多発してきました。

 こうした状況で、ソーシャルワーカーとして重要なことは、被災者にとって避難所は一時的に身を置く場所であるという理解と、フラッシュバックを起こさないように配慮した適切な面接技術によるアセスメント、そして被災者の自立のための支援を行うことでした。とはいえ、被災者に関わる特例が日に日に追加されて制度が定まらず、行政機関も混乱状態にあるなかでの支援は難しく、支援者としての限界を感じざるを得ませんでした。

 それでも、ボランティアの各団体が連携し、医療・法律・心理・生活・福祉・介護・その他の分野でお互いの得意な部分を持ち寄りながら協力して支援が行われていたように思います。この避難所での支援活動は、2週間という短期間で終わりました。今後は県内各地の避難所で、社会福祉士も他の専門職と協力しながら支援していくこととなります。その際にも、避難所生活から疎外されやすい障害を持つ方、お年寄り、その家族の権利を擁護することが私たち社会福祉士の重要な役割である、と強く感じた活動でした。

(社会福祉士事務所ぶどうの木 川染智子)

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