今回の記事では、その中でも特に重要な「保育所、又は認定こども園の保育所機能」を利用する場合の利用認定基準(保育の必要性の認定)について、現在の検討状況を掲載します。
<保育の必要性の認定とは?>
保育所は元来、保護者が何らかの事情により、自宅での子育てが困難な場合に利用するものであるため、自治体は、サービス利用申請に対して、家庭状況などを基に保育所利用可否を認定します。
そして国は、保育所を利用する必要があるかどうか、認定する行為を「保育の必要性の認定」という表現で表しています。
<保育の必要性の認定基準の検討内容>
国は主に以下の観点で、認定基準の検討を行っています。
1.保育所利用の「事由」
2.保育所利用時間の「区分」
3.保育所の「優先利用」有無
これらの具体的な検討内容は以下のとおりです。
保育所利用の「事由」について
現行制度にて、国が定める主な保育所利用認定事由について、見直しがされています。
現行事由1:同居の親族その他の者が児童を家庭で保育することができない場合。
見直し案:「同居の親族等が保育できない場合」という要件を外す、又は必要度を低くする。
これにより、祖父母と同居しているが、両親が共働きの場合などでも、保育所が利用し易くなる可能性があります。
現行事由2:昼間労働をすることを常態としていること。
見直し案:フルタイムのほか、パートタイム、夜間の就労など、基本的に全ての就労を対象とする。
これにより、両親がそれぞれフルタイムと10時~14時などのパートタイムで就労しているケースでも、保育所が利用し易くなる可能性があります。
現行事由3:妊娠中や出産直後、精神や身体に障がいを有している、同居親族を常時介護している、または震災等の復旧にあたっている。
見直し案:現行事由に「求職活動及び就学等」を追加する。
現行制度では、就職活動中は、労働していない状態という定義になるため、就職活動中の保護者が、保育所の利用を希望する際の取り扱いが曖昧でした。今後は、就職活動を保育所利用の明確な事由として定義することで、就職活動中の方も保育所を利用し易くなります。
保育所利用時間の「区分」について
現行制度では、保育所の利用可能時間は、保育所自体の開所時間~閉所時間となっており、個人毎の差はありませんでした。しかし、今後はパートタイム就労なども、正式な保育所利用事由となることから、保護者の就労時間に合わせ、個人毎の保育所利用可能時間を「長時間」・「短時間」の区分に分けることを検討しています。
保育所利用時間の区分については、以下の論点が提示されています。
1.「長時間」「短時間」の区分をどのように線引きすべきか
2.「短時間」の下限(保育所を利用する上で、最低限の就労時間)をどのように設定すべきか
3.現行制度では、利用可能時間の区分自体がないため、自治体・保育所・保護者など全体を通した整理が必要
現在は、保護者の就労形態別保育所利用状況や、就労時間下限のサンプル調査などを行っており、今後、調査結果を基に議論が行われる予定です。
保育所の「優先利用」有無について
ひとり親家庭や、虐待のおそれがある場合など、就労状況とは関係なく、優先的に保育所を利用した方が良いケースに対して、明確な認定基準の有無を検討します。
現在、各自治体の個別判断で、優先的に利用させる事例もありますが、今後は国の制度として、全国統一基準の要否が検討される予定です。
ただし、非常にデリケートな内容で、慎重な議論が必要であることから、検討にあたっての論点などは、まだ提示されていません。
なお、「事由」「区分」「優先利用」の観点を整理するとともに、定員超過による利用調整(※認可保育所の空きがない場合に、認可外保育所等への紹介も含めた調整)が必要となった際、自治体が行う対応についても、議論が行われる予定です。
認定基準・利用調整などの検討においては、多くの保護者が保育所を利用できる制度となるような議論を期待しています。


