また、「インターネット」を利用した伝送を行う場合、「電子請求受付システム」を利用する方針が提示されています。
※「電子請求受付システム」の詳細は、以下の記事を参照してください。
「特集記事:第8回 電子請求受付システムの概要、全体スケジュール、機能について」
そのため、介護保険事業所の請求処理の事務作業等で利用されている「介護保険請求ソフト」においても、インターネット請求の対応を行う必要があります。
上記内容を踏まえ、「介護保険請求ソフト」のインターネット請求が円滑に行えることを目的として、国保中央会のホームページにおいて、開発ベンダ(※)向けの詳細な情報が提示されています。
※当特集記事での「ベンダ」とは、主に「介護保険請求ソフト」を開発している会社を指します。
今回と次回の記事では、国保中央会のホームページに掲載されている情報を基に、「介護保険請求ソフト」のインターネット請求対応を行う開発ベンダへの情報提供を主な目的として、特集記事を掲載します。
「伝送請求APIライブラリ」の概要説明
介護保険事業所(「介護保険請求ソフト」)から「電子請求受付システム」への「インターネット」を通じた請求情報の受け渡しを行う際は「伝送請求APIライブラリ」を利用することとされています。
「伝送請求APIライブラリ」とは、「介護保険請求ソフト」と「電子請求受付システム」間の請求情報の受け渡しを行う際に使用する部品です。
「伝送請求APIライブラリ」を利用することで、暗号化アルゴリズム等の技術的な事項を意識せずに、「介護保険請求ソフト」と「電子請求受付システム」間の請求情報の受け渡しを行うことができます。
以下に「伝送請求APIライブラリ」の利用イメージを示します。

資料:国保中央会HP 平成25年11月28日掲載「2_伝送請求APIライブラリについて」の一部を加工
なお、「伝送請求APIライブラリ」の中で「電子証明書」を利用したセキュリティ対策が行われています。

資料:国保中央会HP 平成25年11月28日掲載 「2_伝送請求APIライブラリについて」から一部転載
「電子証明書」に関する内容は、以下の記事でも解説しているため、合わせて参照して下さい。
「特集記事:第4回 電子証明書を利用したセキュリティ対策について」
「伝送請求APIライブラリ」機能
「伝送請求APIライブラリ」から提供される機能は以下の通りです。「介護保険請求ソフト」では、下記の機能を利用して、「インターネット」を通じた請求情報の送信や通知文章の取得を行います。

資料:国保中央会HP 平成25年11月28日掲載「2_伝送請求APIライブラリについて」から一部転載
「伝送請求APIライブラリ」の利用方法
「介護保険請求ソフト」において「伝送請求APIライブラリ」を利用するための具体的な情報が「伝送システム仕様書[インターネット編]」に記載されています。
「伝送システム仕様書[インターネット編]」を参照することで、インターネット請求に対応した「介護保険請求ソフト」の修正を行うことが可能となります。
「伝送システム仕様書[インターネット編]」の資料は、下記の国保中央会ホームページに掲載されています。
国保中央会ホーム > システム情報 > 介護保険システム情報 >インタフェース仕様書関連情報) ※[2014.01.06] システムインタフェース仕様書 伝送システム仕様書[インターネット編]
「伝送請求APIライブラリ」利用に関する留意事項(「サイレントモード」の紹介)
「介護保険請求ソフト」から「伝送請求APIライブラリ」を利用して「電子請求受付システム」へ請求情報を送信する際に、「電子請求受付システム」を介護事業所職員が利用しているか確認するためのパスワード入力画面が表示される仕組みとなっています。
しかし、複数事業所の請求情報を送信する「介護保険請求ソフト」の場合、請求情報単位にパスワード入力画面が表示されるのは利便性が悪くなってしまいます。
上記の課題を解決するために「伝送請求APIライブラリ」では「サイレントモード」(※)が用意されています。
「サイレントモード」を利用することで、複数事業所の請求情報を送信する「介護保険請求ソフト」の場合も、請求情報単位にパスワード入力画面が表示されずに、送信処理を行うことが可能となります。
※「電子請求受付システム」で利用するためのパスワード情報を予め「介護保険請求ソフト」内部に設定することで、請求情報単位にパスワード入力画面を表示させないことが可能な機能。

資料:国保中央会HP 平成26年1月6日掲載「伝送システム仕様書[インターネット編] 付録.jサイレントモード」の一部を加工
「サイレントモード」の詳細内容は、「伝送システム仕様書[インターネット編] 付録.jサイレントモード」に掲載されています。
今回の記事では「介護保険請求ソフト」から「インターネット」を利用して、「電子請求受付システム」へ請求情報等の受け渡しを行うためには「伝送請求APIライブラリ」を使用する必要があることを紹介しました。
「介護保険請求ソフト」において、インターネット請求への対応を行うためには、「APIライブラリ」の仕様を把握することが重要になります。
なお、国保中央会ホームページにおいて、開発ベンダを対象とした「伝送請求APIライブラリ」の提供方法や「伝送請求APIライブラリ」サポートサービス等に関する案内が掲載さています。
次回の記事では、国保中央会ホームページに掲載されている開発ベンダを対象とした各種案内に関する内容を解説します。
※当記事は、平成26年1月6日(月)までに国保中央会ホームページへ掲載された情報等を基に作成をしています。 今後、介護インターネット請求実施までに、記載内容が変更となる可能性があります。

