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連載 「あなたにもできる介護起業」
全国訪問介護協議会会長の荒井信雄さんによる介護起業指南をお伝えします。

第7回 介護起業成功例 その2

~開業一年と経たずに黒字化達成!~
2011年11月21日
 介護起業成功例の第2回目となる今回は、開業一年と経たずに単月黒字化を達成した株式会社Hケアの M 社長の起業をご紹介します。

 やはり異業種からの参入
 私の著書を読んだというMさんから連絡があったのは2009年の事でした。Mさんは電機メーカー、IT会社の経営企画職を経て、起業を目指されている方で、MBAも取得されていました。会社経営に関する知識はあるものの、介護事業はまったく初めての分野であり、異業種から参入ということで相談を受けました。

 開業にあたっての手続きや許認可から事業モデルの構築まで、トータルでサポートしてほしいということで、起業準備から開業後に軌道に乗るまでの間、アドバイスさせて頂きました。

 初期段階からトータルサポート
 まずは最初の半年間で、許認可をとるための手続きについて、具体的なサポートを行いました。介護福祉の事業所で許認可をとるためには、介護福祉士が最低一人、ヘルパーが最低二人いないと認可が取れません。初期段階で有資格者を集めることは、業界経験者でなければ非常に難しいと思います。また、事業所の立地選定や書類の準備、レイアウトにも独特のノウハウが必要となります。当初、Mさんは大手フランチャンズへの参加も検討したらしいのですが、フランチャイズで介護事業を行う合理性、メリットを感じなかったことから、自分で開業しようと決意されたようです。

 介護事業を行う上でのキーポイントは、やはり地域マーティングです。

 キーポイントは地域マーケティングとスタッフ雇用
 実際に自分が集めている各種データを元にした提案を行い、Mさんが介護事業を行う営業エリアを決めていきました。エリアが定まれば、あとは営業活動などで地道に集客していけばよいのですが、前回も述べたとおり、平行してのスタッフ確保すること、増強していくことが非常に重要になってきます。

 この業界ではヘルパー同士の口コミが強い影響力を持っています。また、超売り手市場であることから、とにかくヘルパーの確保、定着が非常に難しいのです。事業主としてはヘルパーさんが働きやすい環境をいかに作るかが大事です。少しでも嫌になったらすぐ来なくなってしまい、他に移ってしまうということもあります。そのため、ある意味ヘルパーさんも「お客様」として扱うことが、事業戦略上でも非常に重要になってきます。
 さて、M社長の事業所ですが、コンサルティングを始めてから約半年で開業することが出来ました。また、開業後の三か月間は事業を軌道にのせるために週2~3度は会って、ミッチリとアドバイスをさせていただきました。

 固定費を抑え開業から一年たたずに単月黒字化!
 その後もMさんの事業は順調に伸びて、開業一年もたたずに単月黒字化を達成してしまいました。長い場合は2年程度の赤字経営を覚悟することもあるため、とても順調なスタートだと思います。この短期間での黒字化については、事業所の固定費を抑えた事が大きなポイントだと思います。介護事業では立地戦略も重要なのですが、実は駅から遠くても問題はなく、路面に面した物件である必要や、一階である必要はありません。むしろ駅前の一等地で賃料の高いところは避け、周辺が静かな住宅地でヘルパーさんの通いやすさを重視した立地を意識し、コストを抑えることこそが重要なのです。

 Mさんとは今も経営者同士の付き合いをさせてもらっています。彼からは「この事業をはじめて一年かからずに黒字化できて、とても感謝しています。もし荒井さんに出会えなかったら、起業すら難しかったと思います。コンサルティングだけでなく、先輩経営者としても親身にリアルなアドバイスを頂いたことが、何よりも良かったと思います。」という感謝の言葉をいただいています。

 皆様へのメッセージ
今回で「あなたにもできる介護起業」最終回となります。
皆様へのメッセージは、

「夢を追い続けましょう、やらないで後悔することが本当の失敗です。」

「どうせ起業するなら、成長分野拡大市場小リスクの訪問介護事業である。」

ということです。

今まで愛読いただきまして誠にありがとうございました。皆様の成功を心より祈念しております。


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荒井 信雄 (あらい のぶお)
株式会社さくらケア代表取締役社長。
全国訪問介護協議会会長。
大学卒業後、アパレル企業、大手介護企業を経て、株式会社さくらケアを起業。さくらケア上町居宅介護支援・訪問介護事務所などを運営するほか、訪問介護企業支援、訪問介護収益改善支援、訪問介護M&A支援にもあたる。著書に『今しかできない介護起業』(税務経理協会、共著)、『訪問介護事業・居宅介護支援事業成功の法則』(税務経理協会)。

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