特集

連載 「あなたにもできる介護起業」
全国訪問介護協議会会長の荒井信雄さんによる介護起業指南をお伝えします。

第2回 起業の魅力と醍醐味

2011年6月20日
 はじめに
 「いつかは社長になりたい」「自分の采配でどこまでやれるか試してみたい」「金持ちになりたい」「自分の考えで社会貢献をしたい」と思ったことは誰しもあるでしょう。ただ、行動に移す人はめったにいません。その理由は、「資金がない」「やりたいことがあったとしても具体的な方法がわからない」「失敗したときのリスクを考えるとブレーキをかけてしまう」などです。

 しかし、第1回で触れたように「多額の資金がかからず」「拡大市場で」「具体的方法がわかり」「たとえ失敗しても最小限のリスクですむ」訪問介護起業の場合はどうでしょうか。

 社長になれば、行動予定はすべて自分が決め、判断にも上司のお伺いを立てる必要もありません。時間に縛られることもなく、自分の考えで行動し、それによって成果が出せる構図であり、誰かに強要された動きはないのです。

 全ては自分の責任に
 私がサラリーマンを辞めて独立起業した時、「親離れ」した感覚をもったと記憶しています。起業して振り返ると、会社の一員であることがいかに組織に守られていたか、改めて痛感します。もはや、誰も助けてくれないし、誰のせいにもできません。しかも、自分の給与(役員報酬)は自分で決めるのです。

 確認する財務諸表も損益計算書から資金繰り計画書に変わるし、「やったかやらなかったか」しかありませんので、曜日や時間に対する概念も変わりました。もちろん、定年もありません。要するに、「会社の判断=自分ひとり」で「待ったなし」状態です。売り上げが下がろうが利益が出なかろうが、クレームが来ようが事故が起きようが、すべて経営者責任といっても過言ではありません。

 なにしろ期待と不安が一つになって、過ぎゆく日々さえわかりません。これはスリルがありますが「やりがい」にもつながります。

 社会貢献の対価として利益を得る醍醐味も
 その緊張感で利益を出せたときの醍醐味は、予想以上です。報酬は、社会貢献の対価としていただくものですから、私がいなければ存在しなかった価値です。私は、初めて単月黒字達成をした時の鮮明な「感動」「達成感」は今でも忘れることができません。自分で考え、行動することで「売上」「利益」というかたちの明確な結果が出てくるのです。

 起業を検討するにあたり「やらないで後悔」することと「やって失敗」することのどちらを採るか……。生まれてきた以上、「一事を成す」ことを考えるべきではないでしょうか。

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荒井 信雄 (あらい のぶお)
株式会社さくらケア代表取締役社長。
全国訪問介護協議会会長。
大学卒業後、アパレル企業、大手介護企業を経て、株式会社さくらケアを起業。さくらケア上町居宅介護支援・訪問介護事務所などを運営するほか、訪問介護企業支援、訪問介護収益改善支援、訪問介護M&A支援にもあたる。著書に『今しかできない介護起業』(税務経理協会、共著)、『訪問介護事業・居宅介護支援事業成功の法則』(税務経理協会)。

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