一般社団法人成年後見事務所アンカーは、判断能力が低下した人々の権利擁護を目的として、横浜市内の社会福祉士を中心に結成された団体です。2007年12月26日に任意団体として発足し、2009年4月1日に一般社団法人へと発展しました。アンカーとして成年後見制度の利用支援及び制度の普及・啓発活動などを行っているほか、各メンバーが個別に神奈川県社会福祉士会を通して後見事件を受任しています。
臨機応変な相談の土台となるもの
2011年3月11日に起こった東日本大震災は、私たちアンカーにとっても忘れられない日となりました。この日、ちょうど私たちは、横浜市旭区公会堂で、白根学園主催『障害のある人の将来にわたる安心な暮らしとは』の講演会に、共催者スタッフとして出席していた最中でした。残念ながらこの講演会は中断となりましたが、その後、私たちは神奈川県社会福祉士会の一員として横浜市で最初に開設された一時避難所(たきがしら会館)で積極的にボランティア活動に参加しました。磯子区役所が、避難所の一隅に相談コーナーを設けたので、その相談員として生活相談を実施したのです。当初は教育相談が多かったのですが、その後は、生活費、住居、仕事、保育等生活全般の相談に変化していきました。権利擁護に取り組むアンカーのメンバーの土台は、こうしたソーシャルワーカーの相談力だといえると思います。
この連載について
私たちは、これまで福祉行政、福祉サービス提供機関、社会福祉士・介護福祉士養成教育などに携わりながら、成年後見制度に関わってきました。そして、たとえば専門職が個人後見を受任するメリット・デメリット、親族が後見人として活動することの困難、資力のない方の制度利用など、成年後見制度を巡る数々の問題が見えてきました。これらは成年後見制度の運用の部分にあたる問題であり、私たちのように実際に成年後見制度に携わる関係者が問題提起と対応策の提案をしなければ、改善されないでしょう。この場を借りて、私たちは成年後見を軸に、広く要支援者のための権利擁護に関する諸制度と現状および問題や課題についてわかりやすく解説し、読者の皆様にご活用いただけるような情報を発信していきたいと考えています。
(一般社団法人成年後見事務所アンカー 須田幸隆、西田ちゆき)


