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貸与している福祉用具の弁償の必要性有無について

  • やまじ
  • 2003年7月23日(水) 19:58

いつも参考にさせていただいております。久しぶりに書き込みいたします。
どなたか一つご教示お願いいたします。

福祉用具を貸与している要介護者が用具を破損し、使用に耐えなくなった
場合(当然故意でない)で、業者から弁償してほしいと請求があったとき
には、要介護者は弁償しなければなりませんか?
もし、そうであれば根拠等も合わせて教えてください。

ちなみに貸与の際に事業者と要介護者との間にかわされた契約書には、そ
のような場合の対応についての文言はなかったそうです。

  • [1]
  • G.クランツ
  • 2003年7月24日(木) 9:52

行列の出来る法律相談を担当されている方がいればよいのですが・・。おそらくですね、福祉用具の貸与は、使用期限後に返すという契約なわけです。つまり、要介護者は返す義務を負うわけです。今回の場合、破損によって、返す義務が実行できないわけですから、債務不履行ということで、業者は損害賠償を求める事が「できる」。ということではないでしょうか。債務の不履行が問題なので、返せなくなった理由や故意かどうかには関係ないと思います(示談の時に酌量はされると思いますが)。で、貸与期間中の給付費とか、一部負担は何だったかというと、貸与業をする上での経費とか、返却後次に貸すためのクリーニング費用とか、最終的に、利用によって汚れていったり、経年変化していったり、買い換える時の費用になるわけです。詰まりは、返すという前提でのいろいろな費用を負担しているわけです、だから、返さないでおいて「今までさんざん稼がせたじゃないか、とか、もう十分新品を買えるだけは支払った」と居直ってもダメだと思います。ただ、新品を弁償する必要はなくて、本来であれば返却した時に、その貸与品が持っている程度の価値(裏を返すと、業者が被る損害の分だけ)を弁償すれば足ります。同じ汚れ具合の品物を用意する事は出来ないので、金銭で示談という事に現実はなると思います。支援事業者が仲に立って、「もう買い換えるようなやつだったじゃないですか」とか取りなすことは可能かと思います。返却するという債務の不履行によって始まった紛争ですので、契約書に明記されているかどうかは、直接は関係しないと思います。どうでしょう。ちがうかな。
 ところで、弁償しなくても良いとお考えになれる要素として、やまじさんはどのような事を想定されているのでしょうか。
 ちなみに一度、公的な機関の介護保険相談窓口にご相談になってはいかがでしょう。公的なところから取りなしてもらえば、業者の姿勢も軟化するかもしれません。

  • [2]
  • やまじ
  • 2003年7月24日(木) 10:30

早速のご返事有難うございます。申し遅れましたが、恥ずかしながら町の
福祉課の職員です。で、初めてのケースで困っている次第です。

で、悩んでいる理由として、
①事業者は利用者に対して、予めそのような場合についての説明と同意
 (できれば文書で)を得ておく必要があるのではないか?
②事業者は例えば損害保険等、そのような場合についての対策を本来立
 てておくべきではないのか?
③もし、予め弁償しなければならないと利用者が知っておけば、(少な
 くとも現物が残るので)自身で購入する人も増え、そうなれば、資源
 の有効活用を目的として「貸与」という方法を選んでいる介護保険の
 趣旨が浸透しないのではないか?

等を考えております。

  • [3]
  • けん
  • 2003年7月24日(木) 11:21

これは 昨今のへんてこりんな論理の裏返しなんですよね。
よぼよぼの足元が不安定な年寄りが転倒して怪我をしたら、その転倒したところの施設が全責任を負う事を要求する風潮がありますよね。ぼろぼろの車にどこかの車が追突して全損になったら、新車をくれって言いのけるのがあたりまえみたいなもんです。そういう考え方でやっていくのなら 業者と利用者の立場が逆転した時にどういうように考えるかということにつきるでしょうね。
業者側で事故が起こったら業者に全責任があるのなら、当然ながら 借りた方が壊したら全責任を負うのがあたりまえでしょう。
ちなみに私の考えは 業者側にしろ、利用者側にしろ、経過年数(人間で言えばよぼよぼ度、医療で言えば病気の重症度)にあわせて いくらかは免責になって 当たり前と思ってます。お互いに出来る事(責任を負えること)と出来ない事ってあるはずですよ。
そういう フェアな考えが やまじ さんの書き込みからは 読み取れないですね。

  • [4]
  • やまじ
  • 2003年7月24日(木) 12:02

けんさん どうもお世話になります。
私の書き方が悪かったようですが、事業者側に責任をという発想ではなく、
実は(事例をあえて抽象的に書いていたのですが)、今回の場合、
利用者は火災により死亡しており、福祉用具もその際に焼失しています。
で、相談者は遠く地方に住む息子で、そもそも福祉用具を貸与していた
事実すら知らなかったようです。その方が言うには、契約にそのような
文言も特になく、明確な根拠がはっきりしない中で、いきなり業者から
数十万円も払えといわれても抵抗があるという内容のものでした。
私はこの論理には一理あると思うのですが・・・

  • [5]
  • G.クランツ
  • 2003年7月24日(木) 13:29

結局同じ事ではないのでしょうか。通例では、利用者は債務不履行で損害賠償義務を負うと思います。遠方のご子息が、財産の相続をしているのであれば、賠償義務も同時に引き継いだはずです。差し引きして損であれば、相続を放棄する事が可能です。私の記憶では、相続後に債務が判明した時には、事後でも放棄が可能なシステムがあったように思います。時効もあるはずです。相続を放棄したか、相続をしたとしても微々たるものであれば、業者も契約に関係のない、ご子息への請求は、説明すればあきらめるのではないでしょうか。それにしても、ご子息も、高額の請求に違和をお感じになるセンスがあるのであれば、もしかしたら相続時にもっと慎重であるべきだったかもしれません。有り体にいえば、業者さんの請求は当然の行動であり、ご子息は突然で驚いたかもしれませんが、一理あるとは思われません。相続含めて全く関知していなかったのでしょうか。それなら業者が不当でしょうけど・・。
 また、突然高額の請求が、との事ですが、火災で死亡した時点で担当のケアマネは何をしていたのでしょう。当然、今回の債務もその時点で処理しているべきものだったと思いますが。まさか自分の仕事と思わなかったという事ではないですよね。
 賠償の責を負わない理屈として、私は、そもそもの貸与品の瑕疵や、欠陥などを想像していましたが、やまじさんご指摘の三点はどれも納得いきません。明文化はしておいた方がよいでしょうが、借りたものは返す、というのは自然の理で、規定がないかといって、返さなくても良いとはなりません。弁償とか賠償とか言葉は変わりますが、基本的に業者が主張している事は、借りたものを返せ、という事である点を想起してはどうでしょうか。対策をするべきという指摘も同じです。自動車事故で被害者が人身賠償に加入しているかといって、金が入るから良いだろ、と加害者がいえば、これはごろつきの論理です。対策という意味では、むしろ今回のような賠償を受ける事が難しい事例のためにこそあるはずで、返せない側のものが期待しては話が合いません。三番目については、全く次元の異なる話で、資源の有効活用と賠償責務に何の関係があるのか、私にはわかりませんでした。
 いろいろご苦労されているようですが、ここは落ち着いて、冷静に、現実的な対応を関係者で話し合っていくしかないように思われます。

  • [6]
  • けん
  • 2003年7月24日(木) 14:03

G.クランツ さんに同感。
相続と言うのは良いのも悪いのも全部一切合財 相続するか、放棄するか どちらか。相続人が知らないお金を持っていても相続できるように、知らない負債も同時に相続するって事です。相続人(息子?)の考え方は今風のかなりな手前勝手と言う事です。そういう考えに共感を覚える理由がいまいち理解できません。ただ 金額交渉はすべきでしょう。業者が法外な金額を要求している場合がありますから。

  • [7]
  • MK99
  • 2003年7月24日(木) 14:44

やまじさん、どうもです。
今回の事例は、契約上の特約がないようなので、G.クランツさんの「賠償責任が生じる」という見解に同意します。
この賠償責任を正確にいうと、民法第415条に規定される「債務不履行(借用物返還義務の履行不能)による損害賠償責任」ということで、その内容はまさにG.クランツさんが詳細な解説をされているとおりです。
これは賃借人が例え無過失であっても免れないものです。
例外としては「目的物を返すと伝え、業者もそれに同意したのに、業者がすぐに引き取りに来なかった。その間に火災にあって焼失してしまった。」などという場合でしょう。

あと、火災が原因ということなので、ひょっとして失火責任法で賠償を免れるのかなと思って調べてみましたが、この法律で責任を免れるのは不法行為責任だけで、債務不履行責任には適用されないとのことです。

以上のほか、相続の話にしても皆さんのおっしゃるとおりなので、どうにも責任は免れないでしょう。
私の結論も他の皆さんと同じなので、あえてレスしなくても良かったのですが、参考となる事項を少し書き加えたつもりですので、蛇足お許しください。

  • [8]
  • やまじ
  • 2003年7月24日(木) 16:58

どうも皆さん有難うございます。やはり払わなければならないようですね。
そうだろうなと思う反面、息子さんには酷な話のような気もするし、正直
複雑な気持ちもあります。
ただ、相手は何分高齢の要介護者であることが大半ですので、やはり
当初に(あえて)説明と同意を得ておく必要はあるのではと個人的には
思いますが・・・

あと、法的な根拠となるとやはりMK99さんの言われる民法でよろしい
ですか?もし他にもあれば教えてください。

  • [9]
  • けん
  • 2003年7月24日(木) 18:51

やまじさんの発想が理解できません。
書面としてかいてあるかどうかがそんなに重要でしょうか。すべての人は社会的な権利を持つと同時に義務を負っています。義務を履行するからこそ権利を主張できるのです。高齢と言う名の集団の構成員を権利は持っているが、義務の履行はそれを減ずるという根拠はいったいどこから出てくるのでしょうか。そういう社会的な不公平を簡単に許容する考えそのものが人権差別の根底にあると言う事がわからないのでしょうか。
人権差別とは いわれのないことで人を迫害する事だけではありません。根拠もなくある集団に便宜を図る事もれっきとした差別です。老齢者以外への明確な差別意識をもっているという証拠です。

  • [10]
  • MK99
  • 2003年7月24日(木) 20:29

今回の件は、察するに「契約上の問題」というよりも「相続上の問題」の方が強いと感じます。
要するに、息子さんにとっては、自分の関与しないところで自分に責任が生じたという点が受け入れがたいのかなということです。

それはさておき、やまじさんの「相手は高齢者なのだから事前に必要な説明をしておくべき」というご提言は、消費者保護の観点から十分検討に値する議題だろうと思います。
そして、物が破損したときの危険負担や返還できないときの損害賠償を契約書上で入念的に明示しておくことが望ましいことだとも思います。
ただ、この消費者保護というのは、事業者と消費者とを比較し、商品や契約の知識という面において事業者が有利であり、この点で弱者である消費者を保護しましょうという着想のものです。
ひるがえって本件に照らして考えますと、「借りたものは返すこと。それを壊してしまい返せなくなったなら弁償すること。」というレベルの話は、別に事業者対個人の契約じゃなくても日常生活において至極当然の話であり、ことさら消費者(あるいは高齢者)が知識的な弱者であるとは言えず、したがって、契約にあたり事前説明がどうしても必要な重要事項とまでは言えないだろうとも考えます。
ここらへんを現場ではどう考えているのか、貸与事業者さんのご意見もお聞きしたいところですね。

あと、消費者保護に関連する法律としては、消費者契約法とか製造物責任法(PL法)とかがありますが、いずれも本事例の問題に影響するような条項はなく、結局のところ民法の規定に基づき判断するしかありません。
なお、消費者契約法には、「契約条項中で損害賠償の予定額が定めてあり、それが平均的な損害額を超えるときは当該超える額にかかる部分を無効とする。」という内容の規定(第9条)があり、賠償額の交渉をする上では参考となります。

以上、訂正あればどなたかご指摘ください。

最後にけんさんへ。
事例の息子さんは、実家を焼失し、そのうえ老親を亡くし、さらに損害賠償を請求されているわけですから、心情的には同情できる部分もありますよね。
私たちと違い、こういう相談者と現に接しているやまじさんが「何とかならないのかな」と思うのは理解できますし、そういう立場において多少のバイアスがかかるのもしょうがないと思いますがどうでしょう。

  • [11]
  • 指導担当
  • 2003年7月24日(木) 22:37

G.クランツさん、MK99さんがおっしゃっているとおりだと思いますが、蛇足を。
例えば、CDやビデオのレンタルの際には、普通、まず、借りる側が損害賠償保険に入らされます。
それによって、万一、借りた側がそのCD等をなくしたりして、しかも、本人が賠償できない場合には、保険からのお金で事業者は損害を補填するわけです。まず、本人が賠償することが基本です。
基本的に、借りたものを借りたときの姿で返すのは、使用貸借・賃貸借契約の内容そのものであり、借りた側の義務です。で、それができないときには、通常は借りた物の現在の価額に相当する額を支払って(つまり賠償)、返還義務を免れるわけです。
一般的に、借りたものをもとの形で返すことができない場合に対しては、借りる側が担保をたてるものではありますが、それは、プロである貸す側が通常案内するものです(CDのレンタルの場合にしても、保険加入を条件として賃貸借契約を結ぶというのが普通のように思いますけど)。
ですから、今回の事例を見て私が思ったのは、そういう賃貸借を業とするプロが賠償保険として保険加入をさせていないのか、ということです。
(その相当額が介護保険の対象にならないからでしょうか?)
そういう賠償保険を案内しなかった、保険加入を義務付けなかったということについて、事業者側に過失はないのか、ということはできるかも、と思います。
そしてまた、今後の話としては、ぜひ、貸与事業者さんは、高額の用具を貸すときには、万一のときの賠償額を知らせて、保険加入を薦めることか、あるいは、損害保険相当額を貸与額に上乗せし(これが現行介護保険制度で許されるか若干疑問の余地ありですが)、軽過失等の場合は、賠償を請求しない方式にする、というのがあると思います。

現時点としては、やまじさんにしていただきたいことは、要求されている額が妥当なものであるか(ある程度以上使用したものであれば、その分の減価償却はなされているかなど)という検証と、あとは上手に仲裁役になって、かわいそうな事例だから賠償額をちょっとまけてくれないか、と交渉していただくことですね。国保連の苦情処理窓口にはおそらく弁護士もいるはずですから、そちらをご案内するのもよいと思います。
あと、その家は、火災保険には入っていなかったのでしょうか?
十分な額の保険に入っておられれば、一定以上の高額の動産も当然補償金の対象になると思うのですが(こんなことをいうのは申し訳ないのですが)。

  • [12]
  • G.クランツ
  • 2003年7月25日(金) 9:05

事例の性質上きつい話になっていますが、やまじさんの苦悩や利用者様のご子息のとまどいも、この掲示板にお集まりの皆さまはよく踏まえた上での論議だと思っています。やまじさんのこのあとの大変さは、皆さんよく解るので、回答をいただいた方々や、じっと書き込みを見守っている多くの方も、きっと、いつでも応援し、知恵を出そうという気持ちだと思います。やまじさん頑張って下さい。それから、指導担当さんのご指摘は、大変示唆に富むもので、今後貸与事業者の皆さまには、真剣に検討されて良い内容であると思いました。私には目から鱗で、勉強になりました。

  • [13]
  • やまじ
  • 2003年7月25日(金) 17:52

皆さん本当に有難うございます。
大変勉強になっております。
この案件は解決までにまだしばらくかかるでしょうから、皆さんの
意見を参考に対応していきたいと思います。
またお知恵を貸してください。

  • [14]
  • 元CW
  • 2003年7月25日(金) 22:41

みなさんのご意見に異存はありませんが、あえて、別の観点から。
高齢者施策の緊急通報システムと火災報知器とを組み合わせて、一人暮らし高齢者等を火災から守ろうとする動きが各地であるようです。モノは弁償できても、生命は戻らないので、ご存じの方も多いかもしれませんが、紹介させていただきます。
http://www.kaigo-fukushi.com/gyousei/200209/gyousei2002092703.html

  • [15]
  • ぴろぴろ
  • 2003年7月31日(木) 9:10

皆様ご苦労様です。私も、同じ経験があります。居宅介護支援を私が担当している利用者さんが、火災に遭われました。
福祉用具貸与品(車いす)は全焼しました。

貸与の事業所の社長に相談しました。利用者さんは、弁償能力が無い方でした。相談の結果、弁償の請求はしないこととなりました。

ほとんど、腹芸の世界です。参考になりませんが、ご報告致します。